2026/09/19 07:33

先日、布についてのご質問をいただき、

刺繍になくてはならない存在

『布』について

思いを巡らせてみました。


刺繍に適した布

それは

「平織りで、目の均一な、適度なハリ感と密度のある普通〜中厚手くらいの布」

でしょうか。


ステッチの練習、刺繍をストレスなしに楽しみたい場合

布選びに優先すべきは、その様な条件かと思います。

刺繍用に作られた布は

そんな条件を十分満たしてくれるものですから

定番の刺繍布として愛用しています。


ではありますが

刺繍は、究極のところ

どんな布でも

針さえ通れば成立します。

どんなに薄くとも

どんなに厚くとも

なんとかなるのが刺繍です。

そのままで刺すのが難しい薄いものには図案シートや接着芯、

厚手のものも、針や糸を調整したり、ステッチの選択次第で

その布に適した刺繍を施すことができます。



ですから

お仕立てするアイテムにより

適した布の選択は必要かと思いますが

色々な素材で刺繍を楽しめたら

表現の幅も広がって、素敵なことかな

と思います。

色味の選択肢も大きく広がりますしね。


斯くいう私は

刺繍をする布にリネンを選ぶことが多いです。

それは何故?

と問われれば

「それはリネンが大好きだから」

そして

「刺繍との相性の良さ」

「リネンと共に歩んできた刺繍の歴史を重んじたいという気持ち」

でしょうか。


リネンはフラックスと呼ばれる亜麻から作られる麻生地です。

麻には他に

ジュートやラミー、ヘンプなどがありますが

リネンは、やわらかく優しい肌触り

そして美しい風合いが特徴で

吸水性や速乾性に優れた実用性と

ナチュラルでありながら上質な雰囲気も併せ持つ素材です。


リネンの歴史は

紀元前????年

エジプトのミイラもリネンに包まれていたそうですから

布の始まり=リネンの始まり

と言ってもよいのでは…?

(正確な歴史の知識がありませんので「???」でお許しください。)

その後

フラックスの栽培に適したヨーロッパの地域で栽培が盛んとなり

衣類や暮らし周りの布として使われてきました。

女性がお嫁入りする時には

暮らし周りのリネンに

お母さんがイニシャルを入れて持たせたそうです。


そうして

生活に根ざした布としてリネンが作られ、

使われてきた土地で

刺繍が歴史を育んできた事を思うと

リネンと刺繍は切っても切れない間柄

と言ってもよいのではないでしょうか?


私にとっては

リネン=

所々に入った自然素材らしいネップ(糸の繊維の小さな塊)が愛おしい

針を通した時の感触が心地よい

使えば使うほど味わいが増す

刺繍をより美しく可愛らしく際立たせ出来上がったものの価値を高めてくれる

長く大切に、愛着を持って使い続けたいと思わせてくれる

魔法の布

です。


『布』というより

主にリネンの話になってしまいましたが…

平織りで適度な張りと厚みのあるリネンは、

刺繍とベストマッチングでありましょう。

刺繍糸をのせた時のしっくりくる感じは

他では味わえないない感覚ではないでしょうか。


刺繍の布選びで一番大切な事は

「刺しやすさ」かもしれないですが

「刺しながらのトキメキ」もお忘れなく!

(刺繍する手が触れる布の質感

針が通った時の音

糸が渡った時の落ち着き具合

一針一針丁寧に刺したくなる気持ち

を総じてトキメキと呼ばせていただきました。)


手持ちの布を見返して

布って

刺繍しなくても

見ているだけでも楽しいな

なんて気持ちになってみたりして…。

「布と糸」という素材だからこそ

刺繍は素敵なのだなぁと

素材への愛着を再認識させて頂きました。


『布選び』

刺繍の楽しみの一つです♪