2026/07/07 09:52
身近な花をモチーフに刺繍をします。
以前は、他のモチーフも刺していましたが、
今は自分が散歩や山歩きで出会った草花を
刺繍にすることが楽しく、飽くことなく続けています。
他にも刺したいものは沢山あるのですが
ついつい花ばかり刺してしまう。
そんな風になったのは、
自然の中に身を置く喜びを教えて下さった
人生の先輩が、
山登りに誘って下さったことがきっかけでした。
何十年ぶりかの山登り。
私にとっては、ハードな登山で
ついてゆくのが精いっぱいでした。
その日、山野草を自力で見つける余裕はありませんでしたが
教えてもらった
木や岩の陰に楚々と咲く小さな花の姿に強く惹きつけられました。
当時の私はお店を営んでおり、
日々沢山のものに囲まれ
些細なことに神経を使いすぎて
少し疲れていたのかもしれません。
自然の中に身を置いて、
自分の暮らしの中に
何か大切なものが欠けていたように感じました。
その日見た花たち、空の広さ、
澄み切った風が身体の中を通り抜けてゆく感覚は、
いつまでも忘れがたいものになりました。
それ以来
自分が実際に見て、心に触れて
感動したものを刺繍することで
歩くことも、刺繍をすることも
どちらも
一層楽しいものになりました。
刺繍は一針一針手を動かします。
山歩きも一歩一歩。
山の麓では
高くそびえる山頂まで
歩いてゆくなんて、自分には無理!と思います。
でも
目の前の一歩一歩だけに集中していると
いつの間にか頂上に着いている。
刺繍も同じで、
こんなに細かい沢山のステッチを
自分が刺しきれるのか・・・
でも、ゴールを見ないで
一針一針に集中し、楽しんでいれば
あれ?これは全部自分が刺したの?
と思う程、信じられない力を秘めた作品が
いつの間にか仕上がっています。
どちらも夢中で楽しむこと。
例え山頂まで辿り着けず、来た道を戻ることになっても
刺繍が未完成のまま、力尽きてしまっても・・・
それはそれで。
その経験でしか見えない景色があると思います。
山頂からしか見えないものもありますが、
途中であきらめたからこそ見える
2024/3/25
